Mind Harmony
生きづらさを手放そう 〜doingからbeingへ〜
心理学

心の栄養「ストローク」

人間の身体を成長させ良い状態を維持していくには、栄養のバランスの取れた食物を摂る必要がありますよね。「心」もそれと同じで、成長せさ良い状態を保には栄養が必要です。心理学ではこの「心の栄養」のことを「ストローク」といいます。ストローク(Stroke)は本来「撫でる」や「さする」といった意味を表す言葉ですが、心理学的には「言語・非言語全てを含めた他者の存在を認める行為」のことを指します。

ストロークってどんなこと?

 例えば、朝会社に出勤した時に、同僚(上司でも後輩でも)からニッコリ微笑んで「おはよう」と声かけされるとちょっと心がほっこりして、眠くてぼんやりしていても笑顔で「おはよう」って言えたりしますよね。同僚からの「おはよう」はあなたにとっての言語的ストロークであり、ニッコリ微笑む同僚の笑顔はあなたにとっての非言語的ストローク。ここであなたは同時に2つのストローク、「心の栄養」を同僚から受け取った訳です。そして、あなたが笑顔で言った「おはよう」は、同じくあなたの同僚に2つのストローク(心の栄養)のお返しをしたことになるのです。
このような何気ない日常のやり取りが、実は私達の心には欠かせないとっても大切な栄養だったりするのです。もちろん、ストロークは挨拶だけでなく、「大丈夫?」とか「がんばってね」など心配や労いの声かけや、家族やパートナーなど親密な関係性では手を繋いだり、ハグしあったりするなどの行為もストロークになります。こうした日常のストロークのやり取りを通して私達は「自分の存在が認められている」と実感することができ、それが心を豊かにするのです。

ストロークの種類

ストロークには、肯定的なストローク、否定的なストローク、そしてストロークではないものがあります。また、それぞれには、身体的なのもと心理的なものに分けることができます。

否定的ストロークとストロークでないもの

否定的なストロークとストロークでないもの、一見するとどちらも同じように捉えられやすいのですが、両者には違いがあります。否定的ストロークは、態度や行為の一部が否定されますが、相手の存在や価値は肯定されています。対するストロークでないものは、相手の存在を認めない、存在そのものを否定するもので相手の尊厳を傷つけるものです。(※エスカレートすれば虐待にもなる行為です)

日々の暮らしの中で、時には否定的なストロークを相手に与えてしまったり、また相手から与えられたりすることもあるでしょう。どちらのケースのストロークも心を弱らせてしまうのですが、そんな時は意識的に肯定的なストロークを相手に与えるようにしたり、自分の心が弱ってしまった時には家族や友人、パートナーなどから肯定的なストロークをたくさんもらい癒してもらいましょう!
学校のSC便り9月号も「ストローク」をテーマにしています