Mind Harmony
生きづらさを手放そう 〜doingからbeingへ〜
心理学

あなたを生きづらくさせる認知の歪み「自動思考」

自分の中の自動思考に気づこう!

前回の投稿で、認知の歪みを引き起こす「自動思考」についてお話ししましたが、自動思考はその名の通り自動的に頭に浮かんでくいる考えなので普段の生活ではほとんどの場合、自分で自分の認知のクセや偏りに気がつくことはありません。大切なことは、先ず、自分の自動思考について客観的にセルフモニタリングをしてみるということです。

ここでは、一般的な自動思考をリストアップしましたので、自分がどの自動思考を持っているのかチェックしてみてくださいね。

自動思考

「自動思考」とは、何か出来事が起こった時に、自動的に頭に浮かんでくる思考やイメージのことをいいます。

◉ 白黒思考
物事をはっきりさせないと気が済まない。完璧主義的なところがあり、自分の欲求に対する満し「これで良し」とするレベルが極端で、100%自分の欲求が満たされないと納得いかない。
例えば:テストで80点をとっても「100点でなければ意味がない、100点以外は0点と同じ」など極端な考えをしてしまう。

◉ マイナス思考(悲観的な思考)
物事を悪い結果になると早合点したり、良い出来事も悪い出来事に置き換えたりしてしまう。
例えば:仕事で良い結果を出しても「これは、たまたまで自分に能力があった訳ではない」と良いことが起こっても「きっとすぐに悪いことが起こるに違いない」「悪いことが起こる前触れかも?」などと悲観的に捉えてしまう。

◉ 一般化
何かひとつでも良くないことが起こると、「自分はいつもこうなる」「いつも失敗ばかりする」など、わずかな出来事を根拠にして、あらゆる出来事が同じ結果になると思ってしまう。
例えば:好きな異性に告白してフラれてしまうと「自分は誰からも好かれないんだ」と思ってしまう。

◉ 心のフィルター
物事の良くない面にばかりこだわり、良い点や上手くいったことなど、他のことを見えなくさせてしまう。心にサングラスをかけているような気分になる。
例えば:過去に失敗したことが頭から離れず、何に対しても素直に喜べず、悩んでしまう。仕事で失敗した事ばかり思い出し、「自分はこの仕事には向いていない」と考えてしまう。

※「一般化」と似ているが、「一般化」は、良い出来事に対しての評価を下げてしまうのに対して、「心のフィルター」は良い出来事を見えないようにしてしまうといった違いがある。(その境界線は曖昧であることも多い)

◉ レッテル貼り
物事や人に対して、「あの人は〜である」と否定的なラベルを貼り、一度そのラベルを貼ると中々それを剥がさない。
例えば:たまたま相手が忙しくて素っ気ない態度をとっただけなのに、「あの人は冷たい人だ」「あの人は意地悪な人だ」などとレッテルを貼る。

◉ すべき思考
自分や他者に対して、「〜すべき」「〜すべきではない」「〜でなければならない」と考える。ルールに縛られ、生活が窮屈になる。自分や他者の失敗や違いが許せず、他者を攻撃したり、排除したりする。怒りの感情に結びつきやすい。
例えば:「新入社員は上司より早く出勤するべきだ」「人前では常に笑顔でいるべきだ」といった考え。

◉ 誇大視と過小評価
自分の短所や失敗を実際よりも大袈裟に捉え、逆に自分の長所や成功を小さく捉えてしまう。
例えば:小さなミスに対して、「もうだめだ、自分は最低だ」などと大袈裟に捉え、できたことに対しては、「できて当たり前」などと過小に捉えてしまう。

※親や学校の先生がこの認知の歪みを持っていると、子どもは自己肯定感が持ちにくくなる。

◉ 自己関連付
良くない出来事が起こると、本当は自分に関係ないのに、「自分のせいだ」と自分に原因があるのではないかと考える。
例えば:自分の周囲の人がイライラしていて機嫌が悪いと、「自分のせいでイライラしているのかも」「自分が何か機嫌を損ねることをしてしまったのでは」と自分に関連付て考えてしまう。